来チャイナ-上海

【2023年3月上海】ごみを管理するおっちゃんの家

今年の2月まで住んでいた自宅は、上海の古い団地内にある典型的な5階建てのアパートが並ぶ場所でした。その団地内にはゴミ捨て場があり、そこにゴミを捨てに行く度に、気の良いおじさんに会いました。再利用できる段ボール箱やペットボトル、その他の大型の粗大ごみなどをおじさんに渡すと、「謝謝(シエシエ)」と笑顔を返してくれました。どうやらおじさんは、ゴミの中から再利用できるものを回収して転売し、稼いでいるようです。

ゴミ捨て場の前にいつも立ってるおっちゃんがいます。
窓から中を覗いたことがあります。すごいところに住んでるな…

おじさんの自宅は、おそらくゴミ捨て場の隣にある建物だと思います。この建物の前で、おじさんの家族と思われる人々がよく明るく団らんしている姿を見かけます。時々、まな板を準備して野菜を切っている姿も見かけます。荷台付きの自転車には、「油揚げ 2元(30円)」、「ヨーグルト 2元(30円)」などと書かれています。野菜を切っているのは仕込みかもしれず、夜中に屋台を出しているのかもしれません。実際、夜遅い時間になると、いくつかの屋台が建てられ、商売を始める人たちがいます。以前は上海市内にも屋台が多くあったそうですが、今はほとんどなくなってしまいました。それでも、夜の時間帯には密かに営業しているのかもしれません。

自転車の荷台に品名と価格の記載があります。夜な夜な出稼ぎに出ているのかな?

おじさんの自宅と思われる建物内を覗いてみると、電動バイクが並んでいます。おそらく電動バイクの充電場所だと思われます。おじさんは、充電場所として貸し出しているのかもしれません。電動バイクが並んだ奥には、一つの部屋があります。その部屋の中をのぞく勇気はありませんでしたが、窓から内側を覗いてみると、一応「部屋」のように見えました。電気や水などのユーティリティーがつながっているようです。これは正式な「自宅」として認められているのでしょうか。もしそうだとしたら、立地的には上海市内の一等地で、価値としては2,3千万円程度するのかもしれません。しかし、この自宅のようで自宅でない建物を売ることは難しいのではないでしょうか。あくまで、電動バイクの駐車場所を借りているだけかもしれません。

建物内は電動バイクが並んでいます。大きい犬も。

今年の2月から、新しい住居に引っ越しました。旧居と比べると、ローカルチックな雰囲気は全くありません。むしろ、都会的な住処になりました。ゴミ捨て場に行ってみると、また発見しました。ここにも、ゴミ捨て場の隣に「自宅」とは言えない、借りているような場所があります。一部屋に6人が住んでいるのでしょうか?二段ベッドが3つあります。ここにいる人たちも、ゴミ捨て場からリサイクルできるものを選んでいるのでしょうか。この小部屋のすぐ隣には、近代的で立派な、お金持ちが住んでいそうな建物がどーんと立っています。貧富の差を象徴しているような絵ずらで、何とも言えない気持ちになりました。

ゴミ捨て場の隣にある建物
この狭い建物の中に二段ベッドが三つ、計6名が寝れます。

「そういえば、旧居のゴミ捨て場にいたおじさんは元気かなぁ」と、時々思い出します。おじさんの稼ぎは、僕より少ないかもしれませんし、僕の自宅よりも住みづらい自宅に住んでいるかもしれませんが、「シエシエ」と屈託のない笑顔があったことを思い出すと、「この人は周りの家族と一緒に楽しく幸せに暮らしているのかもしれない」と思えます。

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2023年3月19日