【上海】コロナウイルス現地状況-社人局が社会保険料の負担軽減など企業を援助
「上海市社人局が早くも企業負担軽減のための対策を発表」
コロナウイルスによる影響でおそらく世界的にも経済的なダメージが多いと思われます。当然、中国国内企業のダメージも相当なものでしょう…。
さすが中国、早くも国は対策をし始めています。2月4日(火)、上海市人社局(上海市人力資源和社会保障局)より、企業の負担軽減のための対策が出されました。
この通達は上海市人社局のホームページで確認することができます。
中国語がまだイマイチで訳がおかしいかもしれませんがご容赦ください…。以下、発表された対策をまとめます。
- 失業保険の雇用安定還付政策を実施する
- 社会保険料基数の調整延期
- 社会保険料納付期限の延長が可能
- 研修費補助政策の実施
「1.失業保険の雇用安定還付政策の実施」
2020年、企業が人員解雇したりせず、また人員削減を縮小したり、と条件に合致した企業においては、実際に企業及び従業員が納付した失業保険費用(日本でいう雇用保険料のことと思われます)総額の50%を還元する、とのこと。これによって14万社の企業が利益を享受でき、26億元(416億円)の負担軽減が見込まれるとのこと。
要は、企業は無闇に従業員をクビにしないでね!ということですね…。
「2.社会保険料基数の調整延期」
上海市の従業員社会保険料納付年度(従業員医療保険年度を含む)の期間を同年7月1日から翌年6月30日までに調整することとし、3ヶ月間延期する、とのこと。推計で上海市企業は101(1,616億円)億元の社会保険料負担が軽減される、とのこと。
社会保険料基数とは、社会保険料を幾らにするか、基となる金額のこと。この基数の金額が高ければ高いほど、納める社会保険料の負担が大きくなります。逆に、少なければ少ないほど、社会保険料の負担は小さくなります。
基本的にはこの基数は、その個人の前年1〜12月の個人所得税の申告の賃金年収(給与、賞与、手当、補助など含む)を12等分して平均したものです。この「1〜12月」の期間を変更します、ということ。
これで社会保険料負担が減るんだ…。直近、個人に支払う給与等も減っているから、それにつられて社会保険基数も減る、ひいては社会保険料の減額につながる、という意味でしょう。
「3.社会保険料納付期限の延長が可能」
期限通りに保険加入登録、社会保険料納付等の手続きができない場合、疫病が収束した後に事後手続きができる。申告すれば滞納金は発生せず、個人の記録にも影響しない、とのこと。疫病解除後、3ヶ月以内に手続きが完了していればよいとのことです。
「4.研修費補助政策の実施」
営業休止期間中に従業員に各種オンライン職業訓練を受けさせた場合、実際の研修費用の95%の補助金を享受することができる、とのこと。
暇な時間があればネット上でお勉強してね!ということですね…。
本当に対策が早い中国…。このスピード感は本当に凄いです。